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和一で、あんまり救いのない話。
関係的には、和也→一条→←カイジ

兵藤家はきっと、好きな子いじめちゃうタイプ。
そして今回の和也は、自分を守る為に親のマネして見栄張ってるだけの、まだ更生可能な子。

薬やら売春やらが含まれるので、R18です。
後、一条さんの人格が完全に崩壊してます。というか、幼退化。

一回ぶっ壊してみたかっただけなので、続かないよ!


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一度、俺は一つ聞いた事がある。
「なぁ、俺の事どう思う?建前なんかじゃなく、本音で」
どうせ、そんな事言ったって、帝愛の関係者が俺の事を悪く言う訳がない。
怖いんだ。親父の事が。
それでも俺はその時すごく弱っていて、小説家の道も見付ける前だった。
だから、上っ面の誉め言葉なんかじゃなく、悪口で良いから本当の事を言って欲しかった。
無理だろうにさ。

「親の権力を笠に着て、威張り散らすクソガキ」
「えっ…」
その言葉に顔を上げると、彼はニコリと笑う。
「客観的に見ればそうでしょうね。ですが、それは私個人にとっては、別に嫌いな人間ではありません」
なんだ。やっぱりそうやって…。

「考えてみて下さい。坊っちゃん。笠に着て威張れるほどの権力を持つ親を、この世で何人の子が持っていると思いますか?発展途上国ではなく、この先進国で」
手を広げ、大げさな表現をする。
なんでこう、パフォーマンス臭いんだろうな。
帝愛の奴って。
「そしてその中でも飛び抜けた権力を、貴方は生まれたその時から手にしているのです。貴方は何でも出来るのですよ。他の者が諦めざるをえない事さえ」

何でも出来る…ね。
俺の気も知らないで。
俺が彼から目を反らすと、彼は小さくため息を吐いた。
「ただ、坊っちゃんはその権力の使い道が見付かっていないだけですよ。何でも出来る中、熱を持てるモノが無いだけです。それさえ見付けてしまえば、貴方ほど有利な人間はいません」
そこまで言うと、彼は柔らかく笑って新しいコーヒーを俺に差し出す。

「でも、それってずるくない?」
本当はずっと思っていた事だ。
ずっと、周りに言われていた事だ。
だが、彼は目を丸くして、次には笑う。

「ずるい?そんな事は人生をかけても億すら掴めない人間の言い訳ですよ。使えるモノを使う事が、何故ずるいのでしょうか。思う存分、父親を利用して良いのですよ。だからこそ周りの人間は坊っちゃんを畏怖し、服従するのですから」

此奴の顔は嫌いだった。
親父に対するへり下った態度もカンに障った。

「そして、自分自身の地位が確立した時、今まで自分を貶していた奴らを見返してやれば良いのです」

でも、その時の彼の笑顔は、何だかすごく綺麗に見えた。









「一条は此方の部屋です」
黒服はそう言って、部屋のドアを開ける。

彼があの沼で負けた事は知っていた。
そして、親父が地下に落とした事も。
ただ、この仕事をさせられていると知ったのは、最近の事だった。

部屋の中にはキングサイズのベッドが一つと、二脚の椅子に小さな机。
彼は椅子に座り、俯いていた。
「一条さん」
俺が名前を呼ぶと、彼は虚ろな目をこちらに向ける。
とは言っても、その目は俺を見ている訳ではなく、景色の一つとしてぼんやりと視界に入れているだけだった。

その首元には、まるで首を絞められたような跡が残っている。
手を伸ばしてその跡に触れると、彼は子供みたいな笑顔を浮かべた。
「もっとさわって」
彼は気持ち良さそうに俺の手に擦り寄り、甘えた声を出す。

思わず手を引くと、彼は不満げに俺を見て、身に付けた入院着みたいな服を脱ぐ。
それが終わると、俺の服に手を伸ばしてきた。
「止めなさい!」
黒服が、彼を俺から引き離す。
チラリと見えた腕には、注射の跡が残っていた。
「この方は客では…」
「いいよ。使う。お前はもう出てけ」
黒服の言葉を遮り、部屋から下げる。

そして下着だけを身に付け、ベッドの上で体育座りをしている彼に向き直った。
「…ここでさ、何してるの?」
俺が聞けば、彼は綺麗な目を瞬かせた。
「お客さんの相手をしてる。とってもきもちい事するの」
ニコニコと笑って、彼は言う。

頭、おかしくなってるのか。
多分、薬とストレスで。
辛いハズの行為を、脳が変換してんだ。
精神を守る為に。

「でもね、時々おれをいじめる人もいるの。いたい事するの」
言いながら、手首を見る。
そこには指のカタチに、アザが出来ていた。
その他にも、身体には縛った跡や傷が多くある。
丁度、前回の客がそのいじめる人だったのか。

「その腕の注射の跡は?」
彼の腕を引き、その跡に触れる。
それはまだ新しい。
「これはね、おれが頑張ると、くろさき様がげんきになれるお薬をくれるの。それとね、いっしょに飴もくれるんだ」
嬉しそうに言う。
だからこその、この壊れっぷりか。
あのクソジジイ。

「あなたは、お客さんじゃないの?」
不思議そうな顔で、彼は俺を見る。
失礼だな。
「俺が客になると思うか?」
俺が言うが、彼は首を傾げた。
何かおかしい。
そういえば、まだ彼は俺の名前を呼んでない。
もしかして…。

「俺の名前、分かる?」
ここまで頭がぶっ壊れていれば、おかしくはない。
俺の名前くらい忘れていても。

「ううん。わかんない」
ふるふると、首を振った。

もう、別物だ。
外形は同じでも、中身は別物。
あの頃の彼は、もうこの中には存在しないんだ。

無防備に俺を見る彼は、初めてみる顔に思えた。
「俺は、兵藤和也。和也の方で呼んでくれ」
頭を撫でながら伝えると、彼はトロンとした目で俺を見る。
「かずや様…もっと」
俺自身が、壊れた性格で良かったと思う。
まともな性格じゃあ、こんなの見るのも嫌だろうから。

「あっ…」
ベッドに彼を押し倒し、力いっぱい抱きしめた。
「かずや様、くるしいよ…」
その言葉に少し腕を緩めて、彼の頬にキスをする。
「大丈夫。すぐ気持ちいい事するからな」
俺が言えば、彼は嬉しそうに笑う。
これも、初めてみる顔だ。

きっと今の彼には、薬とセックスの事しか頭に無いんだ。
そこに俺が入り込めば、少しは気分が良いだろうか。
ずっと大嫌いだった彼が俺に心を染めれば、少しは気持ちも晴れるだろうか。

彼が俺だけを見てくれたなら、俺も諦める事が出来るだろうか。









「イイモン見付けたから、見せてやるよ」
カイジにそう声をかけ、半分以上は強制的に車に乗せた。
カイジは一条さんと戦い、勝利した男。
そして一条さんを、あの世界に落とした男。
きっとカイジは、一条さんも自分と同じ地下に居ると思っている。
だからこそ、あの一条さんを見た時のカイジの反応を見てみたかった。

カイジはお人好しなトコロがあるからきっと、一条さんを見た瞬間に泣いちゃうんだろうな。
その様子は多分、最高に面白い。

一条さんの居る建物に着き、カイジをその隣の部屋に案内する。
その部屋からは、一条さんの居る部屋が見えるようになっているからだ。

ただそれは、客が禁止事項を破らないように監視する為と、時にカメラで撮影する時の為のモノで、大きいモノでは無い。
マジックミラーになった小窓を、覗く事になる。
それでも、カイジにとっては多大なモノだった。

「お…おい!あれってまさか…!」
目を見開いて、食い入るように窓を覗く。
その反応を見ると、少しは気分が良い。
「そ。一条さんだよ。ちょっと待ってて」
カイジにそう伝えると、俺は一条さんの居る部屋へ向かった。

ドアを開ければ、いつも通り椅子に座った一条さんが居た。
今日はカイジの為に、特別に昔着ていたスーツを着せている。
その姿は、まるで昔に戻ったみたいだった。
「和也様!」
一条さんは俺に気付くと、嬉しそうに駆け寄って来る。
何度か通って、毎回一条さんが気持ちいい様に抱いてやれば、すぐになついた。
此処に金を払って抱きに来ている奴らに、一条さんに優しくする奴がいない事も、要因の一つだった。

「久しぶり。一条さん」
俺が言うと、一条さんは俺の身体に抱き着いて、短くキスをする。
「早くきもちいことしよう」
胸に頬を擦り付け、一条さんは甘えた声で呟く。
「そうだな。おいで」
一条さんをベッドに座らせて、俺はその後ろに回る。
そして、カイジが見ているであろうマジックミラーに向けて、一条さんの足を開かせた。

「ほら、力抜いて」
チャックを下ろし、ズボンからぺニスだけを取り出す。
「ん…和也様…はやくぅ」
「急かすなって」
付け根の方から、ぺニスを緩く撫でる。
「あ…もっと強く…!」
少しずつ固さを持ち始めると、指の腹で先端をぐりぐりと刺激した。
「ふあっ…んんっ…!」
一条さんの口から甘い声が漏れる。

「一条さんって、ホントに感じやすいよね。ちょっと撫でただけで、こんなに勃っちゃってさ」
ほんのりと赤く染まった頬を撫でると、一条さんは濡れた瞳で此方を見た。
「でも、痛いのは嫌いなんだ?」
「だって、いたいのはきもちよくないもん」
昔は、ちょっと痛い方が好きだったのにね。
感じやすさは変わらないけど。
「そうだよな。気持ちいい方がいいよな」
「ひぁああっ!」
強くぺニスを擦れば、一条さんの身体がビクビクと震えた。

「上も…こっちもいじって」
一条さんはそう言って、スーツを脱ごうとする。
だが、今日は着ていてもらわなきゃいけない。
「駄目だよ一条さん。服の上から触ってあげるから、それ着てて」
ワイシャツ越しに胸の突起を指でこねると、満足そうに熱のある息を吐いた。
「はあっ…イきそうっ…!」
モジモジと腰を動かし、一条さんは俺を見る。

「早いな。一条さん。感じやすくて大変だね。前なんか、気持ちよすぎておしっこまでしたもんね」
耳元で囁くように言うと、一条さんは顔を更に赤くする。
「あっ…あれは違うもん…!」
「はいはい」
おもらしはまだ恥ずかしいんだな。
プレイとしてやらされてそうだけど。

そのまま強くぺニスを刺激していくと、一条さんはビクビクと身体を震わせて、俺の手の中に果てた。
「ふぁっ…はぁ…あっ…」
綺麗な黒髪が、汗で首に貼り付いている。
そこに唇を落とすと、一条さんは身体を此方に捻った。
「和也様…熱いのがほしいの」
俺の胸に一条さんは擦り寄り、キスをする。
「いいよ。一条さん」

髪を撫でて、その緩んだ口に指を入れた時、ドアの開く音がした。








「…どういう事だよ。コレ」
熱を持った目で、カイジが俺を睨む。
やっぱり見せて良かった。
本当なら、こういう顔をするべきなんだよ。
「カイジ。アンタの奪ったモノが分かったかい?」
その言葉に、カイジは目を見開いた。
「七億も負債を抱えて、自分と同じ地下に送られると思う?そんな訳ねぇだろ。この通り、薬と精神崩壊で別人だ。生きてはいても、もう此奴はアンタの知ってる一条さんじゃない」

言いながら、一条さんをカイジの方に向ける。
遠くから見ても、カイジの目に涙が溜まっていくのが見えた。
「一条…っ」
膝を折り、カイジはそこに蹲った。
この一条の姿もカイジの罰だと言うのなら、背負ってしまえと俺は思う。
知って見捨てる事よりも、知らないままってのが、一番ずるいと思うから。
やっぱり俺は、性格が悪い。


「カイジくん…」

声がした。
いつもの変に甘えた声じゃなく、ハッキリとした彼の声が。
「カイジくん…!」
何で?
どうして?
俺の事は忘れてたクセに、どうしてカイジの事は覚えてるんだ?

彼はベッドから立ち上がり、カイジの元へと駆け寄った。
「一条…?」
体を起こしたカイジに、彼は抱き着いた。
「カイジくん!カイジ…!助けて!」
何でだよ。俺の前では一回もそんな事…。
「怖いよ!みんなが俺の事いじめるんだ!助けて!出して…!ここから助けて!カイジ!」
ボロボロと黒い瞳から涙が零れ、彼はカイジの胸にしがみついた。
「一条!大丈夫だ。落ち着けって。な?」
カイジは彼の髪を優しく撫でて、抱き締める。

なんだよ。なんでだよ。
俺と居た時は、一度もそんな素振り見せなかったクセに。

結局、お前も俺の事裏切るんだ。


「なぁ、一条の残りの借金って、幾らなんだ?」
カイジが、彼を抱き締めながら俺に聞いた。
「肩代わりでもする気なの?止めた方が良いぜ?多分、そこまで残ってないだろうが、ここまで調教するのも金かかってるし。これから稼ぐ分を考えたら、幾らかかるか…」
その辺、遊女と似たようなモンか。
解放するとなったら、これから帝愛に入るハズであろう金は当然換算される。
大体、彼はもう薬漬けだ。
多分、正気に戻る前に薬が欲しくなる。

簡単に助けられるモンじゃない。
もう普通には出れねぇよ。
「カイジ…っこわいよぉ」
これだって、一種の錯乱状態だ。
一条さんじゃない。
昔の一条さんが戻ってきた訳じゃない。

じゃあどうして、カイジだけには反応するんだ?
俺には何も無かったクセに。
俺の名前すら覚えてなかったクセに。
なんでカイジに助けなんか求めるんだよ。

此処にアンタが落ちてから、俺はずっと優しくしてたじゃないか。
大切に、優しく、愛してたじゃないか。
それなのに、アンタは俺じゃなくカイジを選ぶんだ。

あぁ、俺やっぱりアンタの事嫌いだわ。


涙が出ても良いハズなのに、俺の目は相変わらず乾いていて。
一粒の涙さえ、零れてはくれなかった。








カイジを宥め、一度部屋の外に出した。
ここでは冷静な判断が出来ないだろうと言う、建前だったが。
本音を言えば、一回離れる事で現実味を無くしたかった。
冷静にさせて、一条の事を見捨てて欲しかった。

彼も、カイジから離れた事で落ち着き、いつものぼんやりとした表情に戻っている。
「一条さん。ずっと逃げたかったんだ」
そうだよな。
だから壊れちゃったんだもんな。
「カイジの事は覚えてても、俺はその他大勢だったんだ」
もしくは、俺もストレスの一つでしか無かったからか。

「今さら優しくしたって、そりゃ意味ないよな」
何も無い彼の瞳を見るのが嫌で、下を向いた。
やっぱり、ただ虚しいだけじゃん。
こんなの。
結局、裏切られるんだ。

「泣いていらっしゃるのですか…?和也坊っちゃん」

聞き覚えのある声に、顔を上げる。
ベッドに座っていたハズの彼が、俺の目の前に立っていた。
綺麗な黒髪を耳に掛け、細身のスーツを身に纏って。
それは俺の知ってる一条さんで。

「一条さん…」
俺が声をかければ、一条さんはふにゃりと笑った。
「なぁに?」

カイジに会って、記憶が混乱したんでも良い。
泣いてしまいたくて、一条さんを抱き締める。
昔抱き締めた時とは、匂いが違う。
それでも、感触は同じで。
「和也様?どうしたの?」
抱き返してくれるその腕が嬉しくて、やっと俺の目から涙が零れてくれた。

「いいこいいこしてあげる」
ぐしゃぐしゃと頭を撫でられ、涙が止まらなくなる。
こんなの久しぶりだ。
子供の頃以来だよ。


ホント、大嫌いだ。アンタの事。









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