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前回言っていた村一小説が完成しました〜

Rな内容は苦手なのに、ちょっと書いちゃったっ
村上が一条さんに酷い事してるから注意ですよ!

どうしよう!村一がすれ違いばっかりしてる!



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乾いた音を立てて布団にばらまかれた札束が、頭を守る為に上げた腕に当たって跳ねる。
寝転んだ俺を跨ぐようにして立っている男は、空になったアタッシュケースを無造作に後ろへ投げた。

「ここに一千万あります」
男は膝を着き、札束を一つ拾い上げる。
「私から見れば大金ですが、貴方の借金の七億と比べれば、はした金ですか。でも」
百枚で束にされた一万円札を、男は俺の頬に軽く叩きつけた。
「このはした金が、貴方には喉から手が出るほど欲しい筈だ。少しでも、地上に近付いた気分になれるでしょうから」
男は冷たく笑い、手に持った百万の封を切って布団の横に放り投げた。
ヒラヒラと舞い落ちる一万円札を指差し、男が言う。

「拾って下さいよ。今は誰よりも、あの一万円札の一枚一枚が惜しいでしょう?」
男が立ち上がり、押さえが無くなり自由になった身体を起こし、部屋に散乱した一万円札を拾い集める。

惨めだ。
どうして、よりによってこの男が相手なのだ。
他の男相手なら、どんなに惨めで悔しい思いをしたって耐えられる。
だが、この男は駄目だ。駄目なんだ。
嫌でも、昔の自分を思い出して。

二十枚程拾ったトコロで、不意に襟首を引かれ、そのまま床に押さえ付けられた。
「ホント、無様ですよね」
無意識に握った一万円札が、くしゃりと音を立てる。
「あんなに気高く美しかったのに」
中に着ているシャツを、男が乱暴に捲り上げた。
この男は、俺にもこんな顔をする奴だっただろうか。
「今じゃここに居るクズ供と一緒だ」
いや違う。
この男は、地下に落ちた俺を、心底見下しているのだ。
昔俺を見下した彼奴等と同じように。

だが、俺はもう……。
「ねぇ店長」
本当に見下される立場でしかないから。
「いや、もう店長じゃないですね」
だけど、お前だけはそうやって俺を見ないと、そう思い込んでいただけだったんだ。

「一条さん」
お前だけは。

「村上…っ」
その黒い瞳はもう、俺をまともに見てくれないのか。


「村上?貴方は俺に買われてるんですよ。自分の立場分かってるんですか?」
解いたネクタイで、村上が俺の腕を背中で縛る。
「痛っ!キツい…」
「痛い方が好きなんでしょう?」
村上は俺の手から一万円札を取り、また放った。
うつ伏せのまま、その一万円札が舞っているのを眺めていると、無理矢理に下着ごと下を脱がされる。
冷たい空気と、普段は接しないシーツの感触に、身体に緊張が走った。
「村上!」
咄嗟に名前を呼ぶと、村上は大きな音を立てて俺の尻を叩く。

「クッ…ぅ……村上…様」
目に涙が滲んだ。
それが痛みなのか、悔しいのか、悲しいのか、もう分からなかった。
ただ分かっているのは、村上にはもう、俺の声など聞こえていない事だった。








黒服の男がカジノに来たのは、一週間前だった。
俺に話があるからと、店長室のソファに座れば、男はアタッシュケースをテーブルに置いた。
「ここに一千万ある」
その一言で、これから話される内容はろくでもない事だと理解した。

「前の店長を覚えているだろう?」
黒服が店長、一条の写真を取り出す。
忘れる訳がない。
彼が居なくなり、繰り上げで店長になった俺だが、今でも俺はあの人の帰りを待っているのだ。

「上からの命令でな。この男が、昔の部下に手酷く犯される姿が見たいそうだ。勿論、ビデオにもなる」
黒服に言われた言葉に、俺は思わず目を見開いた。
彼の名前が出た時点で、予想はしていた。
だが、この俺に、あの人を汚せと言うのか。
「出るスタッフは何人でも構わない。指定も無い」
俺の反応を見て、黒服が言う。
つまり、嫌なら俺は出なくていいと。
「この一千万は、出演者と一条とで分けてくれ。何なら、一条には渡さなくてもいい」
淡々と黒服は話し、アタッシュケースを俺の方に寄せる。

「どういった内容かは自由だが、ただ一つ。手酷く犯さなければ意味がない。そこは気をつけてくれ。まぁ」
そこまで話した黒服は、口元に嫌な笑みを浮かべた。
「地下に落ちるような男に、今更何の感情もないだろうがな」

黒服はそう言い、後は日時だけ告げて帰って行く。
膝の上で、爪が食い込む程に握り締めた拳は、殴る相手を失い、コンクリートの壁に振り上げられた。

手から血が流れても、痛みは感じない。
ただただ、切り捨てて尚あの人を苦しめる帝愛に、憎しみだけが募っていた。
全て捨て、あの人を救い出せない俺こそが、何よりもクズだと言うのに。



「ぃ…嫌だ…っ!」
涙を流し、顔を横に振る。
元からなのか、これまでに馴らされたせいなのか、嫌に感じやすい彼のモノは、既に腹まで反り返っている。
「何が嫌なんです?」
太ももの裏をなぞり、半分程入れてあったバイブを奥へと押し込んだ。
殆ど慣らしもせずに突っ込んだモノだったが、ローションと暫く動かしたおかげで中まで入った。
その事で更に強まった快楽に、彼は目を瞑って大きく喘いだ。

「気持ち良さそうじゃないですか」
首筋を撫で、顔を無理矢理に此方に向ける。
「あぅ…ざけんな…もっ…止めろ……っ」
途切れ途切れに、息を荒らげて紡ぐ言葉には、何の効力も無い。
寧ろ、今止めて困るのは貴方自身ではないのか。
「玩具は嫌いですか?」
イきそうでイけないバイブの刺激に身を震わせる彼は、俺を潤んだ瞳で睨み付ける。

逆効果なんですよ。店長。
どうしてそんな顔をするんです?
どうして俺にこんな事されて、十分気持ち良さそうなんですか?
貴方がそんなだから俺は。

「あっ…ああっぁああ!」
一気にバイブを引き抜き、勃ってしまっていた俺のモノを突き刺す。
それと同時に彼はビクビクと身体を震わせ、精液を腹に撒き散らした。
「もうイってしまったんですか?我慢のきかない人ですね」
彼の息が整うのも待たず、勝手に腰を動かし始める。
「やっ…駄目だ……あぁっ!」
もう一度深く中を抉ってやれば、彼は身体を震わせて、手の自由を奪うネクタイを握り締めた。

「殺すっ…殺してやる……」
貴方には今、私は殺したい程憎い相手なんですか。
「あぅ…ねっ…死ね……!」
貴方のその言葉で、本当に死ねたらいいのにね。

「あっああ!村上!」
腰の動きに呼応して、彼は俺の名前を呼び、黒い髪を振り乱す。
その彼の首に、手を重ねる。
日に当たらないせいか、地上に居た時よりも白く、細い首に、俺の手は大きく感じた。

息が出来ず、苦しそうに目を細める彼は、僅かに口を動かす。
声は出なかったが、唇の動きで十分理解出来た。

『おまえがしね』

店長。一条さん。こんなに好きなのに。
私はもう、貴方の側に居る事は出来ないんですね。
貴方がこの地獄から這い上がって来ても、私の声は貴方には伝わらないんですね。


彼の身体の力が一瞬強まり、俺は彼の中で果てた。
それと同時に彼は射精し、糸が切れるように身体の力が抜けた。
彼の息を確認し、手を縛ったネクタイを解く。

手酷く、とは言われたが、それが成されているのかは分からない。
満足されなければ、俺以外のスタッフが呼ばれるんだろうか。
昔の部下で裏切るのは、嫌われるのは、俺一人で十分だろうに。
この人の一番側に居て、いつもこの人の事を見ていた俺が、こんな事をしたんだ。
この人にとって、少なくとも飼い犬に噛まれたくらいの衝撃は与えているだろうよ。

彼の乱れた髪を撫で、整える。
腹に散らばった精液や、中に出してしまった俺のモノの後始末をしたら、散らばった一万円札を拾い集めた。
百枚ある事を確認し、アタッシュケースに詰め直す。
残りの札束も全て詰め込み、布団の横に置いた。

まだ気を失ったままの彼の髪に、そっと触れる。
どうせまだカメラは回っているだろう。
だが、この人にとって俺が裏切り者であるならば、少しくらいは許されるだろう。

「好きです。店長。誰よりも」

髪にキスをして、部屋を出た。
貴方が地上に出れるなら。
また、あの気高く颯爽とした貴方が見れるなら。
俺は貴方に嫌われても構わない。
いいえ、嫌われる事しか出来ないんです。
帝愛を捨て、貴方と共に逃げる事の出来ない俺を、貴方を助け出す事の出来ない俺を、どうか好きなだけ憎んで下さい。

そうすれば、また貴方に会えるかもしれない。
次こそ本当に、貴方に殺される事になろうとも。









目を覚ました時には、もう村上は部屋に居らず、アタッシュケースだけが布団の横に置いてあった。
痛む身体を起こし、アタッシュケースを開くと、きちんと一千万が詰め直されていた。
この一千万を得る為に、俺はどれほどの犠牲を払ったのだろう。

「相変わらず馬鹿だ。彼奴は」

無表情を装っていても、直ぐに顔に感情が出る。
そんなトコロもそのままだ。
彼奴が何に対してあんなに苦しそうにしていたのか、それはもう分からない。
ただ、俺がそんな顔させているのは確かで、それがどうしようもなく嫌だった。
お前にこんな事をさせる彼奴等を、殺してやりたいと思った。
全員死んでしまえばいいと思った。

お前に殺されるなら本望だった。

だから殺せと言ったんだ。
声にはならず、唇も上手く動かなかったが。
『お前が殺せ』と。


視界がぼやける。
お前はもう、俺の事など何とも思っていないかもしれない。
だけど俺は……。

「好きだ。村上。誰よりも」

顔を手で覆っても、溢れる涙は止まらない。
俺が地上に這い上がろうと、もうお前には会えないかもしれない。
俺の事など忘れているかもしれない。
だけど俺は、やっぱりお前が好きだから。

お願いだからもう一度。
俺の名前を呼んで、笑って欲しかった。







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