管理人の腐った頭にご注意下さい。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 シリアスの話だと、一条さんが泣きたい時には、カイジさんが先に泣いてしまったり、村上が慰めたりしててなかなか泣いてくれないので、泣かしてみました。 という、上の説明から派生した話がもう一話出来たので、次回はそれ上げます。 とはいっても、次回は一条泣きません。 ちなみに、今回は開店。 後、リクエスト募集は明日までです。 ですが、まだまだウェルカムなので、皆様どうぞ言いつけて下さいませ。 冷たい風が吹き抜け、身も凍える冬の夜。 隙間風が入るボロいアパートの一室に、小さい電気ストーブが一つだけ。 部屋の中でも上着を着ていないと、随分と寒い。 折角淹れたお茶も、今ではぬるくなってしまった。 ぬるくなったそのお茶を飲み干して隣を見ると、前にふざけてプレゼントした、真っ赤な半纏に身を包んだカイジが座っている。 小さくため息を吐けば、それは白く変わった。 「寒い…」 ぼやくように言うと、カイジが此方を向く。 その手には、ギャンブルの雑誌が握られていた。 「そんなに寒いか?」 カイジは一度首を傾げる。 それによって露になった首筋に、俺の指を添えてやれば、カイジはビクリと身体を震わせた。 「…ッ!何でそんなに指先冷たいんだよ!」 身体ごとカイジは俺の方を向き、包むように手を握る。 息までかけて温めようとする姿は、異様に必死だ。 「寒い時は、いっつもこんなモンだ」 何だか恥ずかしくなってきて、手を引っ込める。 「冷え症ってヤツ?」 まだ心配そうに、カイジは言う。 それに「まぁな」と投げやりに答えると、カイジは少し黙った。 何か考えているような、そんな雰囲気だ。 「足も、寒いの?」 俺の足先を見て、カイジが言う。 あぁもう。面倒な事になった。 俺が答えずにいると、カイジは恐る恐る俺の足に手を伸ばす。 軽く触れたその指を踏みつけてやれば、カイジは顔をしかめた。 「止めろ冷たい!」 カイジはそれだけで涙目になっている。 それが可笑しくて、足の指でカイジの手を揉んでみると、カイジは力任せに手を引き抜いた。 「折角心配したのに…」 カイジは軽く睨んでくる。 ただ、俺が嘘を吐いたみたいな言い草は納得いかない。 「寒いのは寒いさ」 こんなボロ屋で小さい電気ストーブ一個じゃ、寒くない方がおかしい。 俺がそう言うと、カイジは一度黙る。 だが、次には俺の身体を抱き込んだ。 「こうすれば暖かいかな」 ギュッと腕に力を込め、カイジは呟く。 意外と恥ずかしい事出来るんだよな。コイツ。 でも、カイジと体を寄せ合うことで、やはりじんわりと温かい。 一言二言でも悪態を吐いてやろうかとも思ったが、今は止めておいてやろう。 目を瞑って頭を預けると、何だか安心してくる。 「大丈夫か?一条」 カイジの指が、優しく髪を撫でる。 人と人とが触れ合う事で感じる、人工的ではない原始的な温かさ。 よく知った手の平の、優しい愛撫。 何でだろうな。 こんな安っちい温もりなのに、すごく安心出来るんだ。 「カイジ。もっと」 背中に手を伸ばし、深く身を埋める。 その行為にカイジは一瞬驚くが、次にはまた俺の頭を撫でた。 不意に、ポタリと水滴が頬を伝う。 それに驚いて顔を上げると、カイジは目を丸くした。 「えっ…一条?なんで?」 焦った声でカイジは言い、俺の頬を必死に拭う。 それでも止まらない水滴が、カイジの指を濡らしていく。 そこでようやく、この水滴が涙なのだと気付いた。 「どうした?何か、どっか痛かったか?」 オロオロと動揺し、カイジは俺の頭を撫でる。 先程と違い、髪が乱れるだけの乱暴な動きだ。 でも、それもカイジらしい。 馬鹿丸出しだ。 あぁ、もう。 本当に安心する。 安心して泣くなんて最低だ。 滅多な事じゃ、涙なんて出なくなってたのに。 唇を噛んでみても、涙は止まってくれない。 悔しい。 こんなにカイジの事を…。 首を振って、戸惑うカイジの胸に顔を埋めた。 「一条?」 「うるさい!」 俺が涙声で叫べば、カイジにはどうやら理解されてしまったようで。 「ごめん」 そう呟くと、カイジはまた、優しく髪を撫で始めた。 「ずっと一緒に居ような」 見なくても笑顔だと分かる明るい声で、カイジは言う。 バーカ! お前なんかと、いつまでも一緒に居られるか! こんな堕落した生活で、上が狙える訳が無い。 お前みたいなクズなんかと…。 あぁクソッ…! 何でこんなに、涙が出るほど安心するんだ…! PR |
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