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まぁ、黒崎の感情とか描けないんで、一条さん視点ですけどね。
多少変なところもありますが、許して下さいk様。

後、何となく王様の命令の続き的な所もイナメナス。



ここからコメレス

nk様
コメントありがとうございます!nk様というのですね。
私はとても元気です。気にかけて下さり、ありがとうございます^ω^
カイジくんへのチョコですか?カイジくんはニートだから駄目です。働いてから出直して下さい。って意味だと思いますw


T様
コメントありがとうございます!
タイトルはリクエストを省略して書いていたので、もしかしたら気付かれていないのかとも思いましたが、伝わっていて良かったです^ω^
そう言われてみれば、私の描く開店は基本カイジくんが一条を甘やかしてるので、強引にって事はないですね。新しい発見です。




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今日は本当に疲れた。
書き終えた報告書をまとめ、時計を見る。
本来であればとっくに終わっている時間だ。
だが今日に限って、偶然会長と鉢合わせてしまい、一時間も趣味の悪い遊びに付き合わされてしまった。

まぁ、タライに入ったワインを一気飲みさせられた時に比べたら、まだマシではあるが。
口には出せないが、こういう日は本当に、あのクソジジイが早く死なないものかと思ってしまう。

コートを羽織りながらそんな事を考えていると、電話が鳴った。
こんな日に限って、面倒な事が多い。
うんざりしながら受話器を取った。
「ハイ。こちら一条。誰だ?」
どうせ内線だと思ってそう言ってから、電話のランプが外線だと気付いた。

「一条。私だ」
聞こえて来た声に、受話器を落としそうになる。
「く…黒崎様!申し訳ございません…!不躾な事を…!」
慌てて取り繕うとするが、黒崎様は向こう側で笑い声を上げた。
「良い。それより、もう帰るトコロか?用事のついでに寄ろうかと思ったのだが」
黒崎様が来て下さる!
今までの疲れが吹き飛ぶような気がした。

「黒崎様がいらっしゃるのでしたら、私はそれまで待たせて頂きますが、よろしいでしょうか」
会いたい。
よくよく考えれば、もう暫く会っていない。
「それなら寄らせてもらおうか。もう二、三時間したら行く。その時にまた連絡する」
「ハイ!」
俺が返事をすると、電話は切られた。

電話は良い。
まるで、耳元で黒崎様が喋っているような気になれる。
受話器を戻し、息を吐いた。
ほんのりと身体が熱い。
黒崎様。また俺の身体に触れてくれないかな。

コートを脱いでソファに腰をかける。
何だか少し落ち着かないが、まだ黒崎様がいらっしゃるまで時間がある。
他の書類の整理でもしようか。
そうして書類に手を伸ばした時、店長室のドアが開いた。

「やっほ。一条さん。久しぶりだね」

楽しげに笑う男を見ながら、今日は本当に厄日だと、そう思った。








黒崎様がいらっしゃるまでに、どうにか帰ってくれないだろうか。
まず思ったのがそれだった。

胸の奥から、吐き気にも似た嫌悪感が湧いて来る顔付き。
それは多分、お互い様なのだが。
そんな顔を一日に、二代揃って見る事になろうとは。

手に取りかけていた書類を戻し、精一杯の綺麗な作り笑顔を向けてやる。
「和也様。ご無沙汰しております。本日はどうなさいましたか?」
率直過ぎたか。
帰って欲しいのが見え見えだ。
それでも、この男はそういう態度の方が、時には有効と言う事も知っている。

「いやさ、ちょっと遊びに来ただけだよ」
ならばカジノは出て右だ。
そう言ってしまいたいのを堪えていると、和也は俺の方に歩いて来る。
そして俺の右手を掴むと、強く壁に押さえ付けた。
「一条さんでね」
にっこり笑う和也は、本当にあの会長に似ている。

「和也…様」
背中に受けた衝撃で、一瞬だけ目が霞む。
その隙に和也の右手が俺の顔を掴み、無理矢理和也の方を向かせた。
「大丈夫?一条さん」
どの口が言うのか。
まぁ、大体の事は店長室に彼が入って来た時点で分かってはいたが。

「大丈夫…です」
そう答えるしかないだろう?
嫌だと言えば離してくれるような男でもあるまい。
「健気だね。一条さん。泣かせるよ」
和也はまるで何かの台詞のように、そんな事を言う。
「そんな一条さんに、本当の事教えてあげるよ」
嫌な笑みを貼り付けたまま、和也は顔を掴んでいた手を、俺のジャケットに伸ばした。

「何の事でしょうか…」
片手は壁に押し付けられまま、抵抗も無くジャケットのボタンが外される。
「今日さ、俺の親父に会ったろ」
ネクタイは首元の結び目に指をかけ、勢い良く解かれた。
その度に鳴る布の擦れる音が、じわじわと追い詰められている様で不愉快だ。

「ハイ。お会いしました。偶然ではありますが…」
「偶然。ね。それだよ一条さん」
和也の人差し指が、胸の形をなぞる。
「一条さんが虐められる時って、偶然が多いと思わない?確かに、呼ばれてって事もあるだろうけど」
数センチまで和也の顔が近付き、趣味の悪い色眼鏡から、和也の目が覗く。
濁った色の目だ。
「大体、今日だって、普段ならもう一条さん帰ってる時間でしょ?それが偶然、まだ残ってたから俺なんかと会っちゃって」

そう言われてみれば、確かに不意に訪れる割に、出会ってしまう事が多い。
狙っているのかとも思ったが、細かく変動する仕事だけに、偶然としか呼べない時もある。
あの会長や和也が、俺のシフトや細かい居場所など、分かっているハズが無いのだから。

「一条さん。一応頭は良いんだからさ、素直に考えてごらんよ」
クスクスと和也は笑って、俺の腰に巻いたベルトを引き抜く。

考える?何を?
お前等親子が、俺を理不尽に痛め付ける理由をか?
そんなの、ただ気にいらないからだろ。
ガキのイジメと同じだ。
それとも何だ?
偶然でないなら、どうして俺の行動を知っているか?

「一条さんの行動を一番関知してるのって、誰?」

「え?」
その和也の言葉に、一つの可能性が浮かんでしまった。
残酷過ぎる、可能性に。
「そんなハズは…」
俺のシフトを知っていて、俺の細かいスケジュールもそれなりに関知していて、俺が今ここに居る事も知っている。
そんな男が、一人だけ居るのだ。

「黒崎…様…」

その名前を口にした途端、身体中の力が抜ける。
その身体を抱くように和也が支えると、じっくりと俺の顔を見た。
「一条さん…」

そういえば、俺が今まだ帰らず残っているのは、彼が電話をくれたからではないか。
今日あの会長と会う理由になったのも、元はと言えば、彼に頼まれていた書類を届けたからだ。
その時、彼はいなかったけれど、俺が来るのは分かっていた。
でも違う。だって、彼と関わりの無い時にだって、会う事はあった。
でも…。

「俺さ、今の一条さんの顔、大好き。すっごい綺麗だよ」
あぁ、そういえばこの男は、人が裏切られる様や、絆が容易く壊れて行く様を見るのが好きだったな。
そうか。だからいきなりこんな事を。

和也は俺を壁に寄り掛かるように座らせ、ワイシャツのボタンに手を掛ける。
外されていくボタンを眺めながら、俺は今までの事をぼんやりと振り返っていた。








「黒崎様。ご無沙汰ばかりで、心苦しく存じておりました」
俺が笑顔で迎え入れれば、黒崎様は少し眉間にシワを寄せた。
「一条。その手はどうした」
黒崎様に言われて自分の手を見ると、手首には赤く跡がついていた。
縛った跡だ。

「ご心配をおかけして、申し訳ございません。少々、黒崎様がいらっしゃる前にあったのですが、報告する程の事では…」
どうせ、貴方は知っているのだから。
そう思って言うが、黒崎様は俺の手を取った。
「見せなさい」
袖のボタンを外し、ジャケットごと袖をまくり上げる。
突然の事に、ビクリと体が震えた。

「あの…」
手首の縛られた跡意外にも、余り見られたくないモノが晒される。
まぁ、それは全身にあるのだが。
「和也様…か…」
黒崎様が、小さくそう呟いた。
そして俺の腕を優しく撫でるものだから、俺はつい黒崎様を突飛ばしてしまった。

「一条?」
「触らないで…下さい」
黒崎様が本当に俺を差し出していたかは、俺には分からない。
それでも、黒崎様が俺を慰める時の目はいつもそう。今の目と同じ。
驚いているように見えても、その実冷えきっている。
こんな分かりきった事を、今まで気付かないふりをして。

そのまま目を反らせば、黒崎様はため息を吐いた。
これも分かっていた事だ。
俺が黒崎様に従っていたのは、陶酔していた事もあるが、暗黙の了解でもあった。
だって、馬鹿みたいじゃないか。
愛されていなかったからって、騙されていたからって、手の平を返したように逆らうなんて。
帝愛なんて場所に、そんなモノを求めた方が馬鹿なんだから。

従わない駒なら、もう必要ないんだから。

「分かっていたのですよね?和也様がここに来た事も、今日会長と鉢合わせた事も…」
今までの、全ての事を。
「一条。何を…」
「良いんです…!」
黒崎様の言葉を遮り、言った。
「仰って下されば…私は、黒崎様の命でなら何だって…。私も接待として割り切る事が出来ますから」
黒崎様を見れば、珍しく目が動揺している。
今更、私は貴方の為に身体を差し出す事くらい、苦では無いのですよ。
上に行くために役立つなら、私はこの身さえ使える。
元がそういう男なのですよ。

「もう、隠さないで頂けませんか?」
俺が言えば、黒崎様は目を閉じて、息を吐いた。
「君は何か勘違いをしているな。何か言われたのか?和也様に」
黒崎様の手が、肩に触れる。
「まだ隠されるおつもりですか…」
折角、意を決して言ったのに。
引き際は分かっている方なのに、何故。

そう思っていると、肩を引かれた。
真っ直ぐ目を合わされ、突然の事に俺はどうしていいか分からなくなる。
「私に対して君は、一体何を求めている。私がそんな事はしていないと否定すれば、君は信じるのかね?やっていたと白状し君に謝れば、納得するのかね?」
ハッキリそう言われれば、咄嗟に声が出ない。
「君の中で結果が出ている事柄に、私が何を言っても意味はなかろう。君が私に対してそう思っているなら、それで構わん」

俺の肩から、黒崎様の手が離れる。
それが何故か無性に悲しくて、その手を追いかける。
だが、俺の手は振り払われた。
「一条。私も君が信じられなくなっただけの事だ」

「黒崎…様…」
貴方が仰って下されば、俺はどんな結果でも信じるのに。
貴方に信じて貰えなかったら、俺はこの帝愛でどう生き抜いていけばいいのか。
やっと手にした、蜘蛛の糸なのに。
背を向けた彼が異様に遠く感じて、無意識に足が動いた。

「黒崎様!」
駄目だ。本当に今日は厄日だ。
弱ってしまっている。
膝を折り、黒崎様にすがり付いた。
何か言わなきゃと思っても、涙を堪えるのに必死で声が出ない。

黒崎様…私は…貴方の為ならば…。






カジノの店長室から黒崎が出れば、そこにはニヤニヤと嫌な笑みを浮かべた和也が立っていた。
「和也様…」
苦々しく黒崎が呟けば、和也は楽しそうに笑った。
「アンタも悪い奴だよねぇ。釣った魚に餌は与えないってか?」
手の平で球体のものを玩びつつ、和也は言う。
それは先程、和也が一条で遊んだ時に使ったモノだった。

「本当にたまたま会う事もあるけど、大体は黒崎さんが手配してるクセに」
和也が言うと、黒崎は苦笑する。
「そう思われるのでしたら、一条をストレス解消の道具に使わないで頂きたいのですがね」

半分以上は、ある意味便利な道具とでも思ってるクセに。
だからこいつらみたいな帝愛の幹部って嫌いだ。
最初から信頼とかまるで無いんだもんな。
少しは動揺でも見せてくれるかと思ったけど、それほど比重は置いてないか。
もう少し、醜い言い訳でも始めてくれたら、ちょっとは面白かったのに。

和也は息を吐いて、黒崎に持っていたモノを放る。
「あげるよ。一条さんソレ気に入ってたから」
本人は否定してたけど。
黒崎がそれを受け取るのを確認して、和也は背を向けた。

ぐちゃぐちゃになった一条さんの顔は好きだし、あんな男に心酔しちゃうトコロも至極愉快だけど。
客観的に見ると可哀想な人だよ。
まぁ、自業自得って言えばそうだけどね。

「……」
ビルの外に出て、停めておいた車の元まで歩いた。

次会う時には、もっと普通に遊びに行こうかな。
顔見たらきっと、弄りたくなるんだろうけど。
あのおっさんの株上げる理由になるのも嫌だしね。

ビルを見上げると、店長室の明かりが消えるのが見えた。







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